📚書籍概要
- 書名:任せるコツ―自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”
- 著者:山本 渉
- 出版社:すばる舎
- 発売年:2023年7月(第1回日本ビジネス書新人賞 TSUTAYA賞受賞)
- ページ数:272ページ
- 特徴:マネジメント経験豊富な著者が、若くしてマネージャーに就任した失敗体験を基に、相手を信じて任せる「正しい丸投げ」の極意を実践的にまとめた指南書。
この本の読者層
- プレイングマネージャーやリーダー職の方
- 部下にうまく任せられず悩んでいる人
- チームの成果を高めたいビジネスパーソン
👤この本をおすすめしたい人
- 自分でやったほうが早いという思考から抜け出したい人
- 部下の育成とチーム活性化を同時に実現したい人
- 任せることに抵抗や罪悪感を感じる人
📝本書の要約まとめ
1. 「どう頼むか」にコツがある
気持ちよく引き受けてもらえる依頼には、次の5要素がポイント:
- 意欲創出:感謝・褒め・特別感などで「やってみたい」と思わせる
- 目的の明確化:「なぜ必要か」を伝えることで仕事に意味を与える
- 欲求充足:相手のメリットを提示して動機づけ
- 選択肢の提示:断る余白・スケジュール調整の余地を設ける
- 負担の配慮:負荷を軽減・相談の余地を持たせる
2. 「誰に頼むか」が成功の鍵
適切な人材選びが最重要。
本人の適性と意欲を見極め、マッチングすることが成果につながる。
“優秀かどうか”ではなく、“その人がやりたくなるか”が判断基準
3. 丸投げの前後にあるもの
- 三談論法:「雑談」「冗談」「相談」の順で信頼関係を構築
- フォローアップや感謝・評価をセットにして、次につなげるコミュニケーションを
4. 時代に合った「任せ方」
- 今の仕事量が負担なら断る勇気もマネジメントの一部
- 迅速な対応が効率と信頼を高める合理的な行動にもつながる
5. 「任せられない人」からの脱却
- 「自分でやったほうが早い」は短期的思考。チームの成長を長期視点で見守ることこそリーダーの役割
- 管理したくなる衝動を抑え、任せたら見守り、失敗から学ばせる姿勢が重要
📗行動指針まとめ
─ 正しい丸投げでチームの力を引き出し、自分もチームもラクに成果を出そう ─
- 依頼には「意欲創出・目的・メリット・選択肢・配慮」の5原則を盛り込む
- 適性と意欲で任せる相手を選ぶ
- 任せる前後に雑談・相談・評価をセットで行う
- 過剰な負担は断り、優先度の見直しを行う
- 中途半端な干渉は避け、主体性を促す見守りを行う
💡実生活での応用
- 依頼メールや会議で5原則を意識して伝える
- チームメンバーの得意・関心を知る1on1を定期的に実施
- 任せたら進捗を見守り、達成時にはしっかり褒める
- 自分が「全部抱え込む癖をやめる」意識を持つ
まとめ
『任せるコツ』は、ただ任せるのではなく「相手を信じ、最適な頼み方とフォローで任せる」ことで、組織も個人も成長するマネジメントの本質を教えてくれます。
“丸投げ”という言葉の印象にとらわれず、正しい方法で実践すれば、リーダー力が高まる一冊です。
「自分でやったほうが早い」という思いから一歩踏み出し、チームの可能性を引き出す第一歩として、ぜひ一読をおすすめします。